こんにちは、ENECHANGE Project Deliveryチームの本庄です。
昨日の石橋さんの記事で紹介された「週100回PoCデプロイ」のインフラ構築、本当にすごいですね!デザイナーがAIと対話するだけでプロダクトを作れる環境を整備されたとのこと。
私もProject DeliveryチームのPM(PjM)として、AIエージェントを活用したプロジェクト管理の効率化に挑戦しています。まだ少しだけしか活用できていませんが、その中で感じた驚きと可能性について正直にお話ししたいと思います。
🤖 私のAIエージェント活用体験
最初の衝撃:RemoteConfigの設定項目を一瞬で把握
モバイルアプリ開発のプロジェクトで Firebase RemoteConfig を使っていますが、設定項目を把握する必要がありました。
従来なら、アプリ開発の担当者に依頼してまとめてもらい、表整理しながら不明点をまた確認して...と時間がかかる上にエンジニアの手を止めて調べてもらう必要があり、心苦しさも感じていました。
しかし、Cursorに「このプロジェクトのRemoteConfigの設定項目を表形式でまとめて」と指示したところ、ソースコードを参照して、一瞬で設定項目を把握して表形式で出力してくれました。
「え、こんなに簡単にできるの?」と正直驚きました。
PDFからMarkdownへの変換も一瞬で
別のケースでは、共有されたPDF資料中にある表やフォーマットを活用して、情報を整理する必要がありました。
これも従来なら、PDFを見ながら手元の別ツールに表を作って必要な部分を整理して...という作業でしたが、PDFを読み込んで必要な部分を表整理し、Markdownへの書き出しが一瞬でできました。
💡 AIエージェントの本質を理解した瞬間
これらの体験を通じて、AIエージェントの本質を理解できました。
考えてみると、AIもコンピュータなので Input → Process → Output を処理するだけなんですよね。
- Input: 膨大な知識体系や実ファイル群 + リクエスト
- Process (AI): INPUTの膨大な知識や実ファイルを参照して、処理してくれる
- Output: ファイルに書き出せて、次のInputにもつながる
この Input に与えられる膨大な知識や情報と、リクエストの質が高ければ高いほど、期待通りのアウトプットを得られることが実感できました。
この理解により、いろいろと活用できそうなイメージがついたんです。
🎯 プロジェクト管理での活用可能性
PMとして、プロジェクトの各フェーズそれぞれで活用できそうだと感じています。
見積りフェーズ
- 見積り検討漏れのチェックや標準化
- 実現内容・工数・期間に関する妥当性の検証
要件定義フェーズ
- 顧客からの要求整理と、要件定義書の骨子作成
- 要件の定義不足やあいまいな箇所のレビュー指摘によるリスク低減
基本設計/レビューフェーズ
- コード管理フレンドリーな設計書の骨子作成
- 資料更新の自動化・最新化
実装フェーズ
- 設計・実装状況から見たリアルタイムの進捗状況把握
- 残タスクやバッファを加味したリスケパターンの自動作成
テスト設計/レビューフェーズ
- テストケースの網羅性チェック
- エッジケースの自動抽出
テスト結果まとめ/レビューフェーズ
- テスト結果の自動集計と進捗確認
- フェーズ区切りの品質レポート作成
ふりかえりフェーズ
- プロジェクトの成功要因・失敗要因の分析
- 次回プロジェクトへの改善提案
📊 顧客説明資料作成も捗りそう
特に期待しているのが、顧客説明用の資料作成です。
例えば、Mermaid記法で作ったシーケンス図をMarpでスライド化したり、技術的な内容を非技術者向けに分かりやすく説明する資料を作成したり。
これまで、こういった資料作成に多くの時間を費やしていましたが、AIエージェントを使えば大幅に効率化できそうです。
🔍 システム運用監視のエラー調査も楽になりそう
MCPサーバーを利用すれば、システム運用監視のエラー調査も楽になりそうです。
ツールのイベントログを読み込んで、エラーの原因を自動分析したり、過去のナレッジと突合して重要度を特定したり。これまでいろんなツールを使って実施していた1つ1つの細かな一連の作業が、スムーズに自動化できそうです。
🤔 正直な感想:PMとしての視点
情報整理とテンプレートの重要性
PMとして感じたのは、AIに入力できる形での情報整理と、筋のいいテンプレートを作れるか・活用できるかがポイントだということです。
プロジェクトは作業単位が大きくサイクルも長いので、クイックな適用は難しい反面、積み上げていくほど螺旋的に効率化できそうだと感じています。
組織全体での活用の重要性
一人だけで効率化しようとしても、準備やINPUTの整理に時間が掛かり、そこまで効率化できなさそうというのが正直な印象です。
しかし、同じ職種の全員が同じように使えるとかなり強そう。そういった意味で、プロダクト開発統括部全体で活用推進する機会を設けてくれたのは本当にありがたく思いました。
🌟 これからの活用に向けて
ENECHANGEの文化を活かす
CursorはIDEなので、開発慣れしていない人にとってはだいぶとっつきにくい環境だと思います。
でも、ENECHANGEには同じ苦労をしなくてすむよう情報共有したり、助け合う文化があります。 この文化を活かして、AIエージェントの活用ノウハウも共有していきたいと思います。
今回の取り組みでもナレッジを残して貯めておける環境を作ったので、後から学ぶ人もキャッチアップしやすく、職種をまたいでツールの使い所を理解して活用できるようにしていきたいです。
🚀 まとめ:プロジェクト管理の未来
石橋さんが構築された「週100回PoCデプロイ」のインフラのように、PMの業務もAIエージェントによって大きく変わる可能性を感じています。
まだ少しだけしか活用できていませんが、その可能性の大きさにワクワクしています。
プロジェクト管理の各フェーズでAIエージェントを活用し、より効率的で質の高いプロジェクトを実現していきたいです。
そして、そのノウハウを組織全体で共有し、ENECHANGE全体のプロジェクト管理能力を向上させていきたいと思います。
AIエージェントと一緒に、プロジェクト管理の未来を作っていきましょう! 🚀
次回は深堀さんが、「CTO室エンジニアが語るAIエージェントによる技術検証の効率化」「性能改善でAIと伴走して分かったAIエージェントの実力」について語ってくださる予定です。お楽しみに!
(2025-07-07 10:00 テーマ変更になりました(深堀))