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QAエンジニアがAIでテストケース作成を自動化するにはSOWを書かせてディレクションした話

こんにちは!2025年8月にPMからQAエンジニアへ職種チェンジし、日々奮闘中の三輪です。

前回の岩本さんの「ブログ記事51件の感想をAIエージェントに書かせる —— Strands Agentsでサクッと実現」という記事を拝読しました。 AIエージェントが書き手のこだわりまで拾って書評を書いていることに衝撃を受け、私の記事だったらどう評価されるんだろうとドキドキしました笑

今回は、QAエンジニアの視点から、AIを使ってテストケース生成ツールを更新する際に試した 「SOW(作業明細書)を使ってAIをディレクションする」という画期的な手法についてお話します。

なお、この手法を試すきっかけとなったのは、

「AIパフォーマンスの最適化を学ぶ(2)「SOWを作って」は超便利な指示」

という記事でした。この場を借りて感謝申し上げます。


AIとの協力は「方向性」がカギ

AIは非常に強力なツールですが、使い方を間違えるととんでもない方向へ暴走してしまうことがあります。

漠然とした指示だと、AIはハルシネーション(嘘の情報を作り出すこと)や、全く違う方向に進んでしまう迷走を起こします。

そこで私が行き着いたのが、AIに「SOW(作業明細書)を作って」と指示する手法です。


SOW(作業明細書)って何?

SOWは「Statement of Work」の略で、日本語では「作業明細書」と訳されます。要は「何を、いつまでに、どのような手順で作るか」を明確にするための書類です。

このSOWをAIに作らせることで、以下のようなメリットが得られます。

  • 方向性が明確になる: AIが迷走することなく、意図した通りの成果物を生成してくれる。
  • 「違う、そうじゃない」の繰り返しがなくなる: ゴールを共有することで、修正作業が劇的に減り、効率が格段に上がる。
  • 安心感が生まれる: 「結果」を定義することで、AIが勝手に余計なことをする心配がなくなる。

SOWでAIに「道筋」を示した話

今回、私が担当するプロジェクトでは、既存のテストデータ生成ツールを新しいシステムに適用する必要がありました。しかし、新しいシステムには独特のルールや制約があり、ただ単に「テストデータを作って」と指示するだけではうまくいきません。

例えば、

  • 出力するCSVファイルの列構成文字コードは?
  • 日付や時刻のフォーマットは?
  • どんな制約があるの?

といった、細かなルールをAIに理解させる必要があったのです。

そこで、AI(Cursor)に「このツールを新しいシステムで使えるようにするためのSOWを作って」と指示しました。

AIが作成したSOWの中身を確認し、細かなルールを明記し、方向性を絞りました。 AI自身が定めた各段階で何を行うべきかを具体的に示したマイルストーンを7つ提示しましたので、その妥当性を確認しました。

ゴールと道筋が見えたところで、AIにシステムの更新を指示しました。


改善と学び

SOWを活用することで、AIとの協業は劇的に改善しました。

  • AIの迷走によるストレスがほぼゼロに。
  • 修正作業が減り、生産性が向上
  • 計画通りマイルストーンを100%達成

この経験から、「AIに任せきりにするのではなく、明確なゴールと道筋を提示すること」の重要性を痛感しました。

AIは、こちらが意図を汲み取ってくれるのを待っているのではなく、「ディレクション」してあげることで、その真価を発揮するのです。

反省として、何でもかんでもSOWに載せることで、AIにとってノイズとなり迷走が増えました。 指示は必要最低限で冗長にならないことを意識します。


おわりに

今後は、この手法をさらに磨き、QAエンジニアの生産性向上に貢献していきます。